あまり食べていないのに太ってしまったり、吐いているのに太ると言う人はたくさんいます。「食べない = 痩せる」と信じている人が本当に多いようです。
現代人は栄養不足で太っている
ダイエットで摂取カロリーを抑えようとすると、カロリーの源である3大栄養素を避けるようになります。この3大栄養素とはタンパク質、炭水化物、脂肪のことです。それぞれがダイエットにおいても大切な働きをしています。
まずタンパク質は筋肉を作るために必要なものです。筋肉が多いほど痩せやすい体になるのは知られていますよね。筋肉が500g増えるごとに1日50キロカロリーを消費するというデータもあります。
大豆製品は栄養豊富なタンパク質ですが、動物性たんぱく質をカットしすぎて痩せにくくなっていたり体調を崩している人もいるようです。肉類には脂肪燃焼を助けるLカルニチン、魚の油には代謝アップの働きをする良質な脂質が含まれています。
2つ目の炭水化物は脳や体を動かすために必要な燃料となるものです。燃料がなければ体脂肪を燃やすこともできず、身体が冷えて痩せにくくなってしまいます。
絶え間なく働き続ける脳の唯一のエネルギーであり、不足すると簡単にどか食いといった衝動が起こりやすくなります。
3つ目の脂質は体脂肪を燃焼させるための着火装置のようなものです。ホルモンや細胞膜を作る原料でもあり、元気な細胞やホルモンは代謝の良い体の基本です。
脂質に溶けて吸収される抗酸化ビタミンもあるので、体を温めたり満腹感を感じるためにも大切な栄養素です。
肉は太るの勘違い
「カロリーを低く抑えようとしなくても炭水化物や脂質を控えましょう」など、肉は太るというダイエット情報を繰り返し聞くうちに太る栄養素、太る食べ物と思い込んでしまう人もいるようです。
でもそうやって栄養不足になると脳は「飢餓状態」と判断します。そんな飢餓状態からなんとか脱しようと、猛烈な食欲が起きるようになるのです。
また少しの栄養でも生きられるように吸収率を上げて基礎代謝を上げ、エネルギーを節約してできるだけ脂肪として蓄えようとします。つまり省エネ体質になるのです。
お菓子や加工食品だけを食べているとビタミン、ミネラルや食物繊維、酵素などが不足してしまいます。ビタミンやミネラルは精神的、肉体的ストレスでも消耗します。
これらの栄養素がなくては三大栄養素の代謝も行えず、生命を維持することができません。そのためカロリー過多でも飢餓状態と同じことが起こるのです。
こんな身体の飢餓状態から脱するためには、空腹を無理に我慢しようと思わずに、お腹が空いたら食べることです。色んなものを食べて身体を栄養で満たしてあげるのが大切です。
ジャンクフードばかり食べていたら、栄養のある自然の食べ物も取り入れることです。身体が栄養で満たされてくると、自然とジャンクフードは減ってくるものです。
心の状態でも体質は変わる
身体の栄養状態は心の状態にも影響します。たとえば癒やしのホルモンと言われる「セロトニン」という物質が脳内に分泌されると満ち足りた気持ちになり、その結果満腹感を感じやすくなると言われています。
セロトニンが低下すると心はうつ気味になると言われますが、実はこの物質もトリプトファンというアミノ酸を原料にビタミン、ミネラルの力を借りて生成され、炭水化物の力で脳内に働きます。
きちんとキャッチできる神経細胞の受容体を作るために、お魚などに含まれる良質の脂肪酸も必要なのです。つまり、身体を栄養で満たすことは身体を改善するだけでなく、食欲や心までも穏やかに保つことに通じています。
私たちは体の状態ばかりでなく心の状態によっても、痩せやすい体調にも太りやすい体調にもなるといえます。体も心も飢えさせるのではなく、心地よく満たすことが本物のダイエットといえます。