「ダイエットをしようにも日中の疲労感でそんな気になれない…。それって太っているせいなの?」そんな経験をしたことはありませんか。
しかし、運動をする活力が出ない原因が太っていることではなく、脂っぽい食事ばかりとっていることにあるかもしれません。
食事の傾向を変えるだけで痩せやすくなる
アメリカで行われたある研究によると、ほんの短期間でも通常の食事から高脂質の食事に変えることが睡眠を阻害し、日中の活力を減少させることがわかりました。
ペンシルバニア大学院の研究チームは、もともとの体重にかかわらず、食事内容の急激な変化が、睡眠と目覚めにどう影響するのか調査をしました。
実験に使用したマウスには、通常の食事か高脂質の食事を8週間与え続け、最後の1週間だけ一部のマウスの食事内容を通常から高脂質、もしくは高脂質から通常へと変更しました。そして実験開始と8週目、9週目の時点で睡眠時の脳の働きを記録しました。
実験の結果、9週目に入った時点で2つのグループのマウスに体重の差は見られなかったが、これ以降、高脂質の食事に変更したグループのマウスの体重は30%増えました。さらに起床時間は1時間以上遅くなり、ノンレム睡眠の時間が増えて頻繁に眠りにつくようになるなど、睡眠が断続的になりました。
また最後の1週間で通常の食事に変更したマウスは、9週間通常の食事を食べ続けたマウスと同様の睡眠パターンがみられるようになったそうです。
高脂肪な食事を食べることで睡眠の質が悪くなり、さらに日中は疲れやすくなります。いつも疲れた状態なので運動もしなくなるといった状態が正しいようです。痩せたいと思いながらも何もできずにいたら、食事に含まれる脂肪分を見直してみてください。あなたは普段から油分の多い食事を食べていませんか?
いきなり運動をはじめて食事の量を減らすというと、かなりハードルが高いのは明白です。よほど意思を強く持たない限り継続は難しいです。しかし、食事の傾向を変えるだけで痩せやすい生活サイクルを作ることができる。これなら少しやってみようかなと思いませんか?
今回の実験にマウスが使用されましたが、今後は人を対象にした研究も進められるようです。
次に紹介する「3・3・7睡眠法」は誰でも簡単にできて、半年間ぐっすりと眠ることができれば6キロ以上体重を落とした人もいるようです。また食事制限やカロリー計算をしなくても、12か月で10キロ近く痩せた人もいるそうです!
眠るだけで10キロ減らせる「3.3.7睡眠」
3.3.7睡眠法は、肥満外来医師である左藤桂子先生が考案したもので、眠っている間の脂肪燃焼効果を見込める「痩せホルモン」と「成長ホルモン」の働きを活発にするという方法です。
以下の通りに実践します。
- 最初の3は眠り始めの3時間はまとめて眠る
- 次の3は夜中の3時には眠っている
- 7は1日トータルで7時間の睡眠を目指す
では、なぜ3.3.7睡眠で痩せるのかというと、人間の睡眠には浅い睡眠のレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠があります。眠りにつくと、まず深い眠りのノンレム睡眠が先にあらわれ、次に浅い眠りのレム睡眠へと移っていきます。
これらの異なる2種類の睡眠が交互に訪れ、合わせて1セット約90分、一晩に4~5セットが一定のリズムで繰り返されます。睡眠の中で最も深い眠りが現れるのが最初の2セットです。ここで痩せホルモンもまとめて分泌され、そのあとはほとんど分泌されません。だから眠り始めの3時間は、睡眠時間の中で最も重要なのです。
この90分周期以外にも人間の体の活動期と休息期のリズムには、24時間周期と12時間周期があります。これらの3つのリズムが睡眠に適した状態で、ちょうど合わさるのが午前3時前後です。夜更かしをしがちな人や朝が弱い人も、深く眠りやすい時間帯といえるのです。
また痩せホルモンは午後10時から午前3時までが最も分泌されやすいです。だから深夜3時までに眠っていれば、ぎりぎり分泌タイムに間に合います。
コロンビア大学の調査論文で、睡眠時間と肥満の関係については、7時間睡眠の人に比べて5時間睡眠では肥満率が52%高くなり、4時間では73%も高くなっています。このことから、ただ眠るだけではなく、上質の睡眠を続けていれば確実に痩せるということです。
まとめ:
今までいろいろなダイエットに挑戦しても痩せなかった人は、脂質を減らす食事の見直しと、上質な睡眠を続けるだけの3.3.7睡眠を試してみてください!