甘酒は日本の伝統的な甘味飲料の一種で甘粥とも呼ばれています。甘酒は飲む点滴といわれるほど様々な健康効果があります。
主に米麹と米、あるいは酒粕を原料とし、酒という名がついていてもアルコール含有はわずかです。市販されているソフトドリンクはアルコール1%未満に分類されます。
今回は甘酒が点滴といわれる所以の栄養価、ダイエットや美容効果を引き出す正しい飲み方、デメリットについても紹介します。
甘酒の100g当たりの栄養価
エネルギー 81cal
炭水化物 18.3g
食物繊維 0.4g
脂肪 0.1g
たんぱく質 1.7g
・ビタミン
チアミン(B1) 0.01㎎
リボフラミン(B2)0.03㎎
ナイアシン(B3)0.2㎎
ビタミンB6 0.02mg
葉酸 8μg
・ミネラル
ナトリウム60㎎
カリウム 14㎎
カルシウム 3㎎
マグネシウム5㎎
リン 21㎎
鉄分 0.1㎎
亜鉛 0.3㎎
銅 0.05㎎
他の成分
水分 79.7g
水溶性食物繊維 0.3g
普段何気なく飲んでいる甘酒ですが、たくさんの栄養価が含まれていることに驚きです!
米麹の甘酒の健康効果とは?
米麹の甘酒は麹の発酵作用を利用してお米から作ります。甘酒の場合は日本酒とは違い、米のでんぷんを麹菌によって糖分に変えています。アルコールは含まれていないので、お子様やアルコールが苦手な方も安心して飲むことができます。
甘酒が栄養豊富なのは麹菌が関係しています。麹菌の酵素がお米の成分を分解することで、免疫アップの栄養素が増えます。飲む点滴といわれるのは栄養がそのまますぐに吸収できるからです。でんぷんがブドウ糖に分解されるため、砂糖を入れなくても甘いです。
人は食べ物を唾液や胃液などの消化酵素で分解しています。米麹甘酒は栄養素がすでに分解されているため、消化酵素の働きがなくてもそのまま吸収できるのです。そのため風邪やインフルエンザ予防に効くというわけです。甘酒は風邪を引いた後や胃腸が弱っている時も効果があります。
通常熱を加えると麹菌は死んでしまいますが、米麹甘酒は麹菌がすでに栄養を分解してくれているので加熱しても問題ありません。栄養成分は損なわれることがありません。
米麹の甘酒はこれからの季節、風邪やインフルエンザの予防をしたり高血圧に悩む人におすすめです。寒い冬は温めた米麹甘酒で風邪予防がおすすめです。
米麹甘酒は血圧上昇抑制、血管を老けさせない
麹菌に含まれるペプチドという成分が血圧上昇に関するホルモンの抑制に役立ち、血管年齢を若くしてくれます。
ペプチドとは、
- 麹菌がお米のたんぱく質を分解する酵素を出す
- 酵素がたんぱく質をアミノ酸に分解
- 細かく分解できずにアミノ酸がいくつか繋がった物ができるのがペプチド
米麹甘酒に含まれるこのペプチドが血圧上昇に関するホルモン抑制や免疫力をアップさせる効果が期待できます。ホルモンの働きが活発になる朝に飲むとより効果的です。ヨーグルトと米麹甘酒を1:1で合わせて食べると、血管を老けさせないWパワーが期待できます。
酒粕の甘酒にダイエット効果があった!
酒粕は日本酒を絞った後に残る搾りかすの事です。そのかすに砂糖を加えてお湯で溶いたものが酒粕の甘酒です。アルコールを少し含んでいるので苦手な方は注意してください。
酒粕の搾りかすに脂の吸収を抑える成分が秘められていることがわかりました。それは酒粕に含まれるレジスタントプロティンが関係しています。レジスタントプロティンは体内で吸収されにくいたんぱく質です。脂を包み込んで体外に排出する働きがあります。食事で摂った脂を包み込み体外へ排出してくれます。
絞り切って酒粕にすることで濃縮されているのでレジスタントプロティンが豊富に含まれているというわけです。食事と一緒に飲むことで肥満を防ぐのに役立ちます。
酒粕甘酒は美肌作りにも最適
酒粕甘酒を飲んでいると肌に良いコラーゲンが増える効果があるようです。コラーゲンは加齢により減少するため肌を老けさせる原因の一つとなっています。最新の研究では酒粕甘酒にコラーゲンの減少を抑える効果があることが分かりました。
さらにすごいのは効果が持続する時間です。1週間続けて飲むことでコラーゲンを増やす効果が1か月継続するようです!
酒粕甘酒に生姜をプラスすることで肌を老けさせない効果がパワーアップします。肌のきれいな健康長寿の方は温めた酒粕甘酒に皮ごとすりおろした生姜を入れて飲んでいるそうです。
生姜に含まれているショウガオールという成分には強い抗酸化作用があり肌が老ける原因となる酸化から肌を守ってくれます。酒粕甘酒を飲むタイミングは肌細胞を作る夜がおすすめです。糖質の摂り過ぎに気を付けたいので1日の適量は200~300mlが目安です。
甘酒のデメリットと注意点
どんなにいい食べ物や飲み物でも摂取の仕方によってデメリットは存在するものです。身体に良いといわれているものを食べ過ぎると、アレルギーを発症する場合もあるからです。
甘酒のデメリットとして糖質が高いことが挙げられます。麹菌に発酵する際、お米に含まれる澱粉はブドウ糖に変化します。酵素により分解されて吸収されやすい糖に変化します。飲み方次第では甘酒の飲む点滴とされるメリットがデメリットにもなってしまうのです。
吸収されやすい糖質をたくさん飲むのは隠れた危険があります。甘酒はどんなに健康に良いといわれていても過剰摂取だけは避けるようにして、1日の摂取量200~300mlを目安に摂るようにして下さい。