"腸活”への注目度が高まっていますが、腸にいい食べ物といえばヨーグルトですね。便秘解消にヨーグルトを食べればいいというのは、よく聞く言葉です。
ヨーグルトで便秘が解消されるとニキビや肌荒れが改善され、ダイエットにも効果的といわれています。では、どうしてヨーグルトは便秘に効果があるのでしょうか?
ヨーグルトが便秘に効果がある理由
私たちの腸の中には100兆個もの腸内細菌が棲みついています。この腸内細菌の環境が人間の排便には欠かせません。
通常その腸内細菌の1割は、善玉菌と呼ばれる健康に良い影響を与えるものです。逆に便秘などを引き起こす悪玉菌が約1割です。残りの8割は特に影響のない日和見菌と呼ばれるものです。
健康な人の腸には善玉菌が多く棲み、腸内は酸性に保たれています。この酸が悪玉菌の増殖を抑え腸内のバランスを保っているのです。
ところが、何らかの原因で腸内環境が悪化すると悪玉菌が増えて腸内はアルカリ性となり、普段は特に健康に影響を与えない日和見菌まで悪玉化して、腸内環境は悪化していきます。
アルカリ性に傾いた腸内では腐敗物が溜まりやすく、益々便秘もひどくなるという悪循環に陥り、そのような腸内環境の下では便やおならの臭いも臭くなってしまいます。
便秘を解消するためには、腸内の善玉菌をいかに増やすかにかかっています。そこで善玉菌である乳酸菌を多く含むヨーグルトを食べることで腸内の善玉菌の割合が増え、お腹の中は酸性となりそれが腸の蠕動運動を刺激。それで便秘が解消されるというわけです。
実際、便秘を解消する効果の高い乳酸菌を含むヨーグルトを定期的に摂取することで、便秘がちだった人の便秘が解消された実験データは数多く存在しています。
便秘に悩む女性
便秘に悩まされるのは、男女で見ると圧倒的に女性に多いです。男性と女性を比較すると、女性の方が腸が長い傾向になるため排便しずらいことや、腹筋や横隔膜など排泄に必要な筋肉が弱いといったことなどが理由として考えられます。
また普段をあまり動かしていない人や、筋力の落ちた高齢者の中にも便秘に悩まされる人が少なくありません。そのような人たちにも手軽においしく食べられるヨーグルトはおすすめです。
効果的な株を含む乳酸菌を毎日食べることが大切です。乳酸菌といっても色々な種類があり、その効用も実に様々です。効果的に便秘を解消するには、便秘解消に効果の高い乳酸菌を含むヨーグルトを毎日食べることです。
いくら便秘解消に効果が高い乳酸菌を含むヨーグルトを食べたとはいえ、例えば1度や2度では簡単に解消するものではないです。私たちの腸内環境は日々変化しています。食事の内容や体調、運動、睡眠などで腸内の悪玉菌が増えていくこともあるのです。
一度取った乳酸菌が体の中にずっと存在して、腸内で増え続けると安心してはいけません。そのためには、毎日継続的に食べていく必要があります。またヨーグルトは乳酸菌が胃酸などに壊されないように、食後に食べた方が効果的だといわれています。
もちろん単独で食べても悪くないものの、しっかりとした食事をとらなくてもフルーツや野菜など、軽く何かを食べた後に食べるとよいでしょう。あまり神経質になりすぎる必要はありません。
便秘解消に効果がある乳酸菌
便秘解消に効果があるとされている乳酸菌は、EC-12株、JEF01株、サーモフィラス株、BB536株、KW3110株、BE30株,SBT2055株(ガセリ菌SP株)、シロタ株、ブレーベ・ヤクルト菌など数多くあります。
最近はパッケージなどに効用が書いてあるものも多いですが、どんなヨーグルトを食べたらいいか迷ったときには、このような菌が含まれているものを選ぶといいでしょう。
ヨーグルトのパワーをさらにアップさせる食べ方は、オリゴ糖をプラスすることです。無糖ヨーグルトに市販のオリゴ糖を加えて食べてみてください。オリゴ糖には腸の善玉菌を増やす効果があります。バナナ、きな粉、はちみつにもオリゴ糖が含まれています。
手軽に手に入れられて色々なアレンジができるので、飽きる心配もないのがヨーグルトの魅力です。そんなヨーグルトは1日に300gを毎日食べ続けるのが良いとされています。
ヨーグルトを毎日300gを食べるために買っていたのでは、割と家計を圧迫するのではないでしょうか?そこで、ヨーグルトは自分の家で増殖させることにしましょう!
ヨーグルトを増殖させる方法
これは以前紹介した「腸を元気にするレシピ109」という本に書いてありました。
家庭でヨーグルトを作る機械なども売っていますが、それが無くても増殖ヨーグルトはいたって簡単です。
まず温度計と広口の魔法瓶、ヨーグルト、牛乳を用意します。市販のヨーグルトをスプーン大さじ1~2を入れてかき混ぜたら、魔法瓶に移します。
魔法瓶の中が冷めにくいようにして、12時間置きます。これだけで1リットルのヨーグルトが全部ヨーグルトに化けてしまうのです。
増殖ヨーグルトを種にして、次の増殖ヨーグルトを作ることもできますが、乳酸菌がヘタレてくるので3回が限度です。この方法で牛乳と低脂肪乳を試してみたところ、牛乳は本当にヨーグルトになりました。大さじ1のヨーグルトで緩めの無糖ヨーグルトが作れます。低脂肪乳は残念ながら固形ヨーグルトになりませんでしたが、酸味のあるドリンク風になりました。
牛乳とヨーグルトが少しあれば増殖できるので、1日300gの量は食べることができます。今まで買っていた低脂肪乳を牛乳にし、小さいカップサイズのヨーグルトをいくつか試してみようと思います。
増殖させる方法なら家計の圧迫もないし、新製品のヨーグルトが気兼ねなく試せます。カレーなどにプラスしても良し、最近は乾物ヨーグルトといった、ヨーグルトを使ったレシピも数多くあるので、料理のレパートリーも増やせますよ。