今サバ缶がブームになっているのをご存知ですか? 生産量はツナ缶を抜き、第一位になりました。水産加工食品メーカー大手のマルハニチロによると、2017年10月から半年間の売り上げが、前年の同じ時期と比べて4割も増加しているといいます。
かつては「魚の缶詰」というとツナ缶でしたが、近年ではサバ缶がツナ缶の生産量を上回るようになりました。あちこちで話を聞くと、この数年サバ缶がメディアで取り上げられることが増えた事が挙げられます。
サバ缶ブームの契機は東日本大震災
震災による津波で宮城県石巻市の水産加工会社「木の屋石巻水産」の工場が全壊しました。がれきと泥の中から数万缶の缶詰を掘り起こしました。そこに缶詰のファンで店でもこの缶詰を仕入れていた東京、経堂の居酒屋「さばのゆ」の店主が協力を申し出ることになります。
泥まみれだった缶詰をボランティアが一つずつたわしで洗いました。ラベルのない缶詰を店頭に並べ1缶当たり300円の寄付金を募って支援金に充てたそうです。のちに「さばのゆ」店主の須田さんが「蘇るサバ缶」という1冊の本をまとめることになります。
この石巻と経堂の交流が新聞やテレビで一気に取り上げられ、世の中にサバ缶への好意が膨らんでいったというわけです。近年では2017年末にテレビ番組でダイエットに良い、美味しいと取り上げられたことで、その後スーパーでは品薄状態が続いているようです。
サバ缶の魅力はそのヘルシーさ!
たとえばツナ缶より価格は安く内容量は多いです。栄養豊富で体にもいい、新味のサバ缶や高級サバ缶などバリエーションも増えたなどといった大小の企画がメディアで取り上げられるようになりました。
今年はサバ缶、水煮缶関連のレシピ本は既に10冊以上発売されています。女性栄養大学栄養クリニックのサバに水煮缶レシピは、発売1週間で増刷という人気ぶりです。
サバ缶は1缶200円程度と手ごろな価格ながら下処理不要で食べられることから、忙しい現代人にマッチした食材です。缶詰だから長期保存も可能です。
コンビニで気軽に購入できるから家飲みのつまみにも大人気!魚を食べる手段としても1人暮らしの男性、女性にもおすすめです。魚不足を気にしている人は魚を摂る手段として有効です。
ここまで人気にさせたのはそのヘルシーさです。DHA、EPAが豊富に含まれているサバ缶の栄養価は食生活が乱れがちな現代人にとっても貴重なものです。サプリメントでも人気のEPAは、サバ缶3分の1缶で1日に必要な量が摂取できます。食事から摂取できるのは嬉しい限りですよね。
DHAは記憶力向上に効果的といわれています。昨年放送された「さんまの東大方程式」では、サバ缶をよく食べる東大生が登場して話題になりました。
缶詰は特売の時にまとめて買っておいてストックしておけばいざという時にパッと使えるのでとても便利です。オーソドックスな缶詰に加えてスープやだし巻き卵、ガトーショコラなどラインナップも豊富になってきています。
サバそのものより栄養価が高い
実はサバをそのまま食べるよりサバ缶の方が栄養価が高いです。DHAやEPAはもちろん、1尾そのまま食べるときに捨ててしまう骨や皮もサバ缶には含まれています。カルシウムが豊富なのも魅力ですね。
またひき肉と置き換えが効くのもポイントです。ハンバーグやミートソースなど、ひき肉で出来ることは大体サバ缶で出来るんです。しかもヘルシー!最近のサバ缶は特有のにおいが抑えられていますし、美味しくなりました。
ここでは、サバ缶の簡単レシピを3つ紹介します!
サバ缶の簡単冷や汁
材料2人分:白だし大さじ1、サバ缶水煮缶1缶、キュウリ1/2本、ミョウガ1個、青じそ4枚、温かいご飯どんぶり2杯分、白すりごま大さじ1、塩、味噌
作り方:
- キュウリは薄い輪切りにし、塩少々を振って軽くもむ。約5分置いて水けを絞る。ミョウガは千切り、シソは粗くちぎる。
- サバは缶汁をきって粗くほぐし、1とともにボウルに入れてサッと混ぜる。
- 別のボウルに味噌大さじ1、すりごま、白だしを入れ、味噌を溶きのばす。冷水2カップを加えて混ぜる。
- どんぶりにご飯を盛り、2をのせ、3をかける。しつこくない白出しと旨味が詰まったサバ缶の相性が抜群です。
サバ缶のなめろう
材料(2人分):サバ水煮缶1/2缶、ミョウガ1本、しょうが1カケ、万能ねぎ2本、粉チーズ大さじ1/2
作り方:
- ミョウガは縦半分に切り、1/2本はみじん切り、残りは薄切りにする。しょうがは皮をこそげてみじん切りにする。
- サバ缶は汁気を軽く切り、ボウルに入れる。ミョウガのみじん切り、しょうが、万能ねぎ、粉チーズを加えてサバ缶をほぐしながらよく混ぜる。
- 器に2を盛り付けて、薄切りにしたみょうがを添える。粉チーズが隠し味です。
サバと豆腐の煮物
材料(2人分):サバ水煮缶1缶、絹ごし豆腐1/2丁、大根200g、ニンジン50g、しょうが大1カケ、万能ねぎ2本、だし汁400㎎、3倍濃縮のめんつゆ大さじ11/2、七味唐辛子
作り方:
- ダイコン、ニンジンは5㎝の長さの短冊切りにする。
- しょうがは薄切りにする。豆腐は4等分に切る。
- 万能ねぎは5㎝長さの斜め切りにする。
- 鍋にだし汁、1を入れ、蓋をして中火で3分煮る。
- 2、サバ缶を加える。沸騰したらアクを取り、めんつゆ、酒大さじ1/2を加える。
- 器に盛り七味を振る。暑い夏でもサバ缶と野菜、豆腐を一緒に摂ることで、ヘルシー&栄養価がアップします。
まとめ:
私はブームになる前からのサバ缶愛用者です。魚の缶詰はイワシやサンマ、シャケなど他にも色々ありますが、サバ缶は特にサイズが大きいから食べ応えがあるんですよね。
西友などいつもよく利用しているお店ではサバ缶は味付け、味噌味、水煮の3種類があります。たっぷり入っているからコスパが良いですね。何といっても缶詰は魚を食べるのに手軽な手段だし、ヘルシーでダイエットにもいいです。
簡単なレシピというと、サバ缶味噌味、トマトの水煮缶、切干大根、こんにゃく、大豆などを一気に鍋に入れ、じっくり煮込むだけ。簡単ですが、これが意外と美味しいのです。これもサバ缶のうまみが凝縮されているからに他ありません。
これだけサバ缶がブームになっているのは嬉しい限りです!