「毎日体重を測っているけど全く違う。体脂肪が減ったり増えたりするから、正確な数値がわからない」と悩んでいませんか? 体重や体脂肪の数値はかなり不確かなものです。これに惑わされてはいけません。
今では体重だけでなく、体脂肪を測定できる商品は色々と多く出ています。家庭用の体組成計や、ジムなどには業務用の体重計も設置してあります。
「測定する度に体脂肪が変わる。どれが本当の体脂肪率なの?」
そもそも体脂肪計とは、どんな仕組みなのでしょうか。
体脂肪計の原理について
体脂肪計は体脂肪率を直接測定しているわけではありません。手足に電気を通してその電気抵抗を測定することで、体脂肪率を推定しています。つまり体脂肪計で測定したものは一般的なデータから推定した値です。
家庭用の体脂肪計は脂肪そのものよりも、体内に電気を通さないものや脂肪がどれぐらいあるかの比率です。水は電気を通しやすいが脂肪組織は電気を通しにくく、電気抵抗が高くなる。体脂肪計はこの電気の性質を利用しています。
脂肪の含水率は20%程度、筋肉など他の組織の含水率は80%程度です。電気抵抗は脂肪の他に、電気経路が通る経路の長さや太さも関係しています。体脂肪計に性別や身長といったデーターを入力するのはそのためです。
体脂肪計はなぜ誤差が生じるの?
体内の水分量で体脂肪率は変わるので、体重は減っているけど体脂肪率が増えているといった現象が起こりやすいです。
たとえば、身長が高く脂肪もそれなりにあるけど筋肉が少なくて体重が軽い人。体重が重いけど脂肪が少ないなど、標準な体型とは異なる場合も誤差が生じやすいです。
データや抵抗値から体脂肪率を推定する計算式も計器によって違います。体脂肪率の補正の仕方はメーカーごとに異なるため、同じ人でも違う数値で出る可能性があります。
私たちは1日の生活の中で身体を動かしています。食事をする、仕事をするなど何かと活動している時間が多いですよね。体内の水分や代謝物が増減を繰り返し体温も常に上下します。
身体の含水率は食前・食後、運動前・運動後、入浴前・入浴後でも変わります。水を飲んでも0.5は変動するし、お風呂に入ると1kgは違います。当然水を飲んだだけでは脂肪量は変わりませんよね。
水を飲んだことで電気が流れやすくなり、体脂肪率が下がるというわけです。そのため体脂肪率を正確に測定するのは難しいのです。
起床時や運動後は体脂肪率が高く測定されやすいです。なぜかというと、身体の中から水分が抜けていることがあり電気抵抗が大きくなります。そのため体脂肪率が多いと測定されます。
体脂肪計を使う時は、できるだけ体内の状態を揃える必要があります。
体脂肪を正確に計測するには?
足の裏をきれいにする
足の裏をきれいにして裸足で測ります。乗って測定する体脂肪計の場合、体脂肪率の表面と足の裏の間に何かあると電気抵抗に誤差が生まれ、正確な数値を測定できません。
腕や足を伸ばす
体脂肪率を測定する時は腕や足を伸ばした状態で測定しましょう。曲がった状態で乗ると筋肉の断面積が大きくなります。
脂肪以外の量が実際より多く測定されることがあり、体脂肪率が実際より低く計測されてしまいます。
激しい運動、夕食後の測定は避ける
運動すると汗をかき体内の水分が減るので、電気が流れにくい状態になります。その状態で体組成計にのると、実際よりも高い数値の体脂肪率が測定されます。
また食事すぐに体脂肪率を測ると、食べたものを消化するため胃の周りに血液が集まります。実際より高い数値の体脂肪率が計測されます。体重を測る時はできるだけ2時間待ってからにしましょう。
誤差があるなら体重を測るのは意味がない?
誤差が生じるなら体重を測るのは意味が無いのか、というとそうでもないです。家庭用体脂肪計の用途は、変化を見ることにあるからです。
毎日決まった時間に測りその数値の変動を見れば、自分の状態をある程度知ることができます。
条件を合わせやすい起床時の測定が推奨されています。体重も体脂肪率も同じ条件、たとえば朝起きてトイレに行ったあとを毎日計測して記録すれば変化はわかります。
毎日同じ時間、同じような状況で計っていれば、体重増減や、体調異変の目安に使えるのではないでしょうか。電流を使用しているため水分の影響を受けやすいことから、体脂肪が正確には測れないのは仕方ないかもしれません。
まとめ
体重計で測る体脂肪率はあくまで参考値程度にしておきましょう。あくまで目安の数値です。基準にするなら起床後トイレに行ってから計測するようにしましょう。
体重や体脂肪率そのものばかりに気を取られて一喜一憂するのではなく「値の相対的な変動を見ましょう」ということですね。