カロリーを摂るなら大好きなお菓子でと考えて、甘いものを食事代わりにするうちに食べたいものが甘いものばかりになっていませんか?
「お菓子は糖質だから炭水化物を食べるのと同じじゃないの?」という疑問があるかもしれません。しかし、全く同じではないのです。
お菓子は炭水化物と同じではない
甘いものに含まれている砂糖は分子構造が単純なので、すぐに血液に入り込みます。そのため一度にたくさん食べると血糖値が上がってしまいます。
すると膵臓からインシュリンという血糖値を下げるホルモンが大量に分泌されて血糖値が下がってしまうので、再び空腹を感じたり甘いものが欲しくなったりするのです。
その一方で同じ糖類でも炭水化物と呼ばれる穀物に含まれるでんぷん質は、分子構造が複雑なのでゆっくり消化されます。血糖値の上昇も緩やかで、血糖値の急上昇と急降下による飢餓感が起きにくく、満腹感も続きやすいです。
主食はきちんと穀物で食事としてしっかり摂りましょう。その上で甘いものが欲しい時は、間食や食後のデザートとして罪悪感など持たなくても楽しめばいいのです。
生の果物やドライフルーツ、イモ類などの天然の甘味のある食べ物、はちみつやメープルシロップ、てんさい糖、黒砂糖などの自然の甘味料は糖質代謝に必要な栄養素が豊富です。ぜひ甘いものがほしい時に取り入れてみて下さい。
炭水化物が不足すると猛烈な飢餓感はありませんが、タンパク質が不足すると甘いものが余計に欲しくなったり、脂質不足で満腹感が感じられなくなっていたりすることがあります。思い当たることがあれば気をつけてみて下さい。
ジャンクフードが止まらなくなるワケ
私達が甘いものを求める時、昔はご飯や芋などの炭水化物が甘いものでした。こうしたものに含まれるでんぷん質は、よく噛んで唾液と混ざりあうほど甘く感じるものです。
今では手っ取り早く手に入る甘いお菓子が身近にあるので、炭水化物を避けているとそれに向かいがちになります。アイスクリームを大量に食べてしまう人も多いですが、これも体が炭水化物と脂質を求めているという意味があります。
満腹感は太る、冷たいものは太らないとどこかで聞いたために、軽い食感で太らないと思っているアイスクリームにその食欲を向かわせているのは、よくあるパターンです。
スナック菓子が止まらない場合、その主成分の炭水化物や脂質の他に、甘味と塩味を求めているという意味があります。スナック菓子や加工食品全般の旨味は化学調味料と表記されていますが、それらは体の栄養にはならないものです。
ジャンクフード全般に言えることですが、香り付けや風味付けも人工的なものが多く、自然な風味付けの材料のように体に必要な栄養素が一緒に入りません。
日頃から栄養のある自然の食べ物を楽しんでいれば、ジャンクフードの味にちょっと違和感を感じるようになったり、美味しいと思ってもほどほどで満足できて、もういいやと思えるようになってきたりします。
こってり濃厚な味のものばかり食べたくなる人は、日頃の食事で脂質を避けてきた反動であることが多いです。それでは、何を食べればいいのでしょうか?
食べたい時に食べたいものを味わう
それは今の自分の体に必要ないものは体が教えてくれます。
炭水化物を食べすぎると胸のあたりがつかえる感じがしたり、脂質を食べ過ぎると胃のあたりに不快感があったり、添加物を摂りすぎると体がだるく感じるのも分かるようになってきます。
その時々で本当に食べたいものを、一口一口味わって食べるのは大切なことです。何となくテレビを見ながら食べているときと違い、本当に美味しく感じることができます。一口一口が美味しいので早めに満足感を得られます。
この時お菓子は絶対にダメとしてしまうと、反動で逆に食べてしまいたくなります。体が喜ぶものを取り入れるようにして、それを食べる機会を増やしていけばお菓子を食べる機会は自然と減っていきます。