リオデジャネイロ五輪に出場するアスリートたちが、連日世界中を熱狂の一方で、競技結果とは別に注目されているものがあります。
マイケル・フェルペス選手といえば、2004年から金メダルを量産してきた、アメリカが誇る競泳選手です。日本では「水の怪物」として知られています。
現在開催中のリオ・オリンピックで行われた競泳競技では、自身が持つ五輪金メダルの最多獲得記録をさらに伸ばすと同時に、肩に丸くて奇妙なアザがある状態でレースに臨んだことで、注目を集めました。
フェルペス選手の右肩周辺に残る5,6個の丸いアザは、カッピング療法といって、中国古来の身体治療を受けてできたものです。
カッピングとは?
熱した小さなガラス瓶を肌に置き、その熱によって皮膚を瓶の内側に3cmほど吸い込ませて患部に血を集めるもので、主に痛み軽減効果があるとされています。
熱したガラス瓶の代わりに吸引カップが用いられることもあります。インスタグラム公式アカウントの投稿によると、フェルペスが受けているのは、後者の吸引カップ方式のようです。
欧米の反応
欧米ではインターネットのSNSなどを通じて「神秘のマーク」として、その正体が話題になりました。なかには「先頭ゲームの射撃の後だ」「巨大なタコに吸われた後だ」といった、正体を知る者にとっては笑うしかない推測も…。
フェルペス選手は欧米メディアに対してカッピングの痕であることを証明し、レース前に痛みや倦怠感がある時に、カッピング療法を受けていることを明らかにしました。
カッピングの歴史と効果
中国伝統のカッピング(吸玉)療法は、数千年という古い歴史を持ち、鍼灸や漢方薬と同様に昔から伝わる伝統的な身体的治療方法です。中国語で「ばっかん」と呼ばれています。
ガラス容器にアルコール類を入れて燃やして皮膚に当てると吸いつくので、その身体的部分が鬱血状態になり、それが治療に役立つとされています。
カッピングは熱したガラス容器を肌に吸着させ、引っ張るためしばらくの間痕が残ります。その効果は血液の流れが良くなったり、肩こりや筋肉痛、疲労感などを緩和するとされています。
血流、循環機能の改善などに特に効果があり、有害物質を皮膚面から排泄し、表皮の再生力と抵抗力を増すと考えられています。
また皮膚に与えられている陰圧によって毛細血管の刺激に反応し、筋肉内の血管が拡張し、鬱血や充血を取り去り、リンパの循環を良くするとされています。
カッピングはスポーツ界でも人気
実は、フェルペスに限らずスポーツ界では、疲労回復に効果があるとして、カッピングをしている人が多いです。日本人トップアスリートでいうと、ハンマー投げの室伏広治さんが取り入れています。
アスリートに吸玉の痕がついているのを目にしたことがあるかもしれませんが、スポーツ分野においてトレーナーやコーチなどが、選手のコンディショニング作りに利用しているといわれています。
血行促進の延長上で肩こりを解消するほか、筋肉痛の緩和などスポーツ選手にはうってつけです。
カッピングを体験できるエステ
カッピングはデトックス効果もあり、美容法としても注目されています。グイネス・バトローやヴィクトリア・ベッカム、ジェニファー・アニストンなどハリウッドのセレブリティーにもファンが多いです。
スリムビューティハウスの「骨盤Beautyコース」では、カッピングはお馴染みの施術です。吸い玉と呼ばれる器具を用いて施術し、鍼と同じ代替医療の一種です。施術後に吸い玉を外すと、あの不思議なアザができるのです。
骨盤Beautyコースでカッピングを500円で体験できます。トップアスリートも取り入れた方法が気になるという方は、ぜひトライしてみて下さい。