カフェインの摂取量が多すぎたり、疲労や睡眠不足などが重なったりすると、めまいや頭痛などの中毒症状が出やすくなることがあります。
昨年末、九州地方の20代男性が眠気覚ましをうたうカフェイン飲料を継続的に飲んで、中毒死する事故があったのが明るみに出ました。
エナジードリンクの大量摂取が原因とみていて、厚生労働省もエナジードリンク常用によるカフェイン中毒という例は国内初ということもあり、衝撃を呼びました。
エナジードリンク・栄養ドリンクの危険性
エナジードリンクはカフェンやビタミン、炭水化物、ガラナなどの興奮性成分が入った炭酸飲料で、アメリカでは10~13年もの間に副作用で約5000人が救急搬送されたという報告もあります。
問題のエナジードリンクはアメリカ生まれで、「運動能力が増す」 「ダイエットに効く」などの宣伝文句が受け、急速に人気商品となっています。
少量のカフェンには、脳を刺激して気分をスッキリさせる作用があります。コーヒーお茶、日本茶などにカフェインが含まれているのは知られていますが、意外と薬にも使われているのです。
ドラッグストアで売っている「総合感冒薬」に配合されていますが、ぼんやりした頭をスッキリさせ、風邪が治ったような気にさせる効果があるからです。
高濃度のカフェインを含んだエナジードリンクや栄養ドリンクは、10年ほど前から市場に出回り始めました。若者を中心に人気が出て、コンビニやスーパー、自動販売機などで20種類が売られています。
カフェイン濃度が最も濃い製品は、100mlあたり360㎎含まれていました。缶入りなどで清涼飲料水として販売されているコーヒーや炭酸飲料の多くにも、カフェインが含まれています。
しかし100mlあたりの含有量は多いものでコーヒー90mg、紅茶50mg、炭酸飲料40mg、煎茶20mgでエナジードリンクよりも低いです。
カフェインは1日の許容摂取量が設定されていないので、清涼飲料水の表示義務はありません。このためエナジードリンクとして売られているものでも、カフェイン含有量が表示されていない製品もあります。
健康な成人がカフェインを一度に摂取した場合の致死量は約10gとされています。100mlあたり360mg含まれている製品でも2.8リットル飲まないと達しないので、実際に摂取するのは難しいです。
ただし、カフェイン入り飲料を日常的に飲み続けると、摂取量が増えやすいそうです。日常的に摂取すると眠気覚ましの効果を感じにくくなり、充分に睡眠をとっていないと少量では眠気を抑えるのが難しくなるのです。
カフェイン飲料を効果的に利用する方法
飲み過ぎると影響が出るカフェイン飲料でも、効果的に利用する方法があります。それは、どうしても眠気を抑えたい時の「1日1回の切り札」として使うことです。立て続けに飲んでも効果は期待できないからです。
眠気を抑えて一時的な睡眠不足になっても、その後に充分に睡眠をとれば、量を増やさなくても再び効果を得やすいのです。
眠気を抑える目安となるカフェイン摂取量は100mgです。眠気覚ましの効果を求めるなら、含有量が正確に分からないコーヒーやお茶よりも、量が明示されている飲み物を利用した方が便利です。