「膝のお皿の下に違和感を感じる」
「膝の下の骨が出っ張っている」
ゴールデンウイークの天気のいい日、久しぶりに長距離を歩いてから右足が痛くなってしまいました。元々膝のお皿の下の骨が出っ張っていましたが、そこが内出血していて触ると痛いです。
屈伸もできなくて辛くなり原因を調べていたところ、オスグッドという症状に当たりました。これはどんな症状なのでしょうか?
オスグッドとは?
小学生から高校生までの成長期の学生によく起きる膝のケガです。バスケ、サッカー、野球、バレーなどジャンプやダッシュ、急な方向変換など、膝に圧力がかかる競技選手によく起きると言われています。
正式にはオスグッド・シュラッター病と言われていますが、一般的には呼びやすいようにオスグッドと言われています。小学生高学年から高校生の運動をしている子供に起こりやすいです。
成長期に起こりやすいケガではありますが、成長痛とは違います。整形外科や一般的な接骨院では「成長痛なので成長が止まるまで治らない」と言われることがとても多いようです。
オスグッドの症状
膝のお皿の下の骨がボコっと出てきて痛みます。最も特徴的な症状の一つに膝の下の骨がボコっと飛び出てくることが挙げられます。骨を押したりぶつけると痛みます。
オスグッドは太ももの前の筋肉が硬くなり骨を引っ張ることで起きます。ボコッと飛び出しているのは、太ももの前の筋肉の引っ張りに耐えきれなくなった骨が剥がれてしまっているからです。
写真上は私の脚ですが膝のお皿の下がボコっと出ています。左右出ていますが右側が特にボコッと目立ちます。
オスグッドになると「運動する時に膝のお皿の下の骨の部分が痛い」「正座をすると骨の部分が床に当たって痛い」といった症状が起きます。オスグッドと似た症状に「ジャンパー膝」というものがあります。
膝の曲げ伸ばしやジャンプなどで膝のお皿の下のすぐ下が痛みます。ある程度成長期を過ぎると骨がしっかりして剥がれづらくなり、ジャンパー膝になります。膝のお皿の下の骨がボコっと出ていればオスグッド、出てこなければジャンパー膝と言われます。
オスグッドの原因
小学生から高校生の間に多いケガということで、この年代の子供達はまだ脛骨と言う骨が成長している時期です。成長軟骨の部分があり、成長しきった骨と比較すると過度に引っ張られてしまうと傷みやすく、骨も剥がれやすくなっています。
そのためジャンプしたりダッシュをしたり、曲げ伸ばしをする度に太腿の筋肉大腿四頭筋などが縮んで硬くなり、成長軟骨のところに引っ張る力が加わります。成長軟骨は傷みやすく剥がれやすいので、炎症が起き、痛みや症状として出てくるわけです。
一番の原因は太ももの緊張
太ももの前の筋肉が硬くなってしまい、更に運動を続けることで成長軟骨と呼ばれる傷みやすいところに負担がかかり、炎症を起こして痛みや症状が出てきます。
オスグッドの主な原因は太ももの硬さなので、オスグッドになりやすい人は太ももの前面が硬くなりやすい人です。これは骨盤が後傾している人です。姿勢が悪い人は太腿の筋肉が硬くなるのです。
大腿四頭筋はももの前の筋肉です。この筋肉は主にジャンプをしたり踏ん張ったり、何かを蹴ったりしゃがんだり、そういう動作の時に使います。
そのためサッカーやバレーボールをする子供に発症することが多いようです。この筋肉を使っていくと、どんどん緊張状態になっていきます。つまり縮んで硬くなった状態です。
こうなってくると危険信号です。なぜ筋肉が緊張状態になってしまうのかというと、その原因は様々です。
過度な運動
スポーツをやっている子供に指導者がスパルタだったり練習量がものすごかったりすると、その子の筋力量を超えて使ってしまい、筋肉が硬くなります。元々筋力量が少ない子供はその運動強度に耐えられなくなります。
ストレッチ不足
ケアが不足しているということです。筋肉は使うと縮みますが、そのまま放置すると緊張状態が続き硬くなっていくため、オスグッドを引き起こします。ストレッチをして縮んだ筋肉を伸ばして上げる必要があります。
体のバランスの崩れ
大腿四頭筋に負担がかかる体のバランスで生活してしまっている事が挙げられます。これが意外と多いようです。例えば足底筋の低下で足底のアーチが落ちて、足元のバランスが崩れてしまっていることがあります。
太ももの筋肉でカバーしないといけない状態だったり、股関節が開いてしまい左右前後の体重のかかり方がアンバランスになってしまうことによるものなど。何らかの要因で大腿四頭筋に負担がかかってしまう状態があると、オスグッドになりやすいです。
自分でできるオスグッドのケア
オズグッドのケアは、まずストレッチがおすすめです。根本原因から改善できるわけではないですが、殆どの場合は筋肉の硬さを緩めてあげればひとまず痛みは治まるようです。継続して緩めておけば痛みもそれほど強くならないです。
適切にストレッチを行えば、筋肉が緩むことに加えて血流が良くなるので修復力も上がります。太ももの前の筋肉を柔らかくするためにはストレッチが有効とされています。
太ももをマッサージしたり、正座したまま身体を後ろに倒して太腿の筋肉を伸ばすのを試してみます。太腿の筋肉で膝のお皿も安定するので、太ももをほぐすのに越したことはありません。
姿勢を良くする
姿勢は毎日の積み重ねでできているので、少しづつ姿勢に気をつけて生活をすることが大事です。
足首の可動域を広げる
足首は本来可動域が広くいろいろな方向に動くものです。実際に足首を動かしていくことで元々の動きを取り戻していけます。一番簡単なのは床に指先をつけてぐるぐると足首を回す方法です。
空き時間にぐるぐると足首を回すようにする。ゆっくり大きく回すのがポイントです。
2種類のスロトレで太ももをストレッチ!
★太もも前側に効くシーシースクワット(ターゲットマッスル:大腿四頭筋、腹直筋)
スタートフォームは椅子の背などにつかまり、上体を後ろに倒しながら膝を曲げるところまで曲げ、一度止める
「3秒かけて膝を伸ばし3秒かけ戻す」
膝が伸び切る手前まで3秒かてゆっくり立ち上がり、3秒かけてゆっくり戻し、そこで1秒止める。これを5~10回繰り返す。
★太もも前後に効くニューエクステンション・フレクション(ターゲットマッスル:大腿四頭筋、ハムストリングス)
スタートフォームは椅子に深く腰掛け、タオルを挟んで脚を組む。
「3秒かけて膝を伸ばし3秒かけて膝を曲げる」
両脚を押し合いながら3秒かけてゆっくり膝を伸ばし、3秒かけてゆっくり曲げる。これを左右各5~10回繰り返す。
まとめ:
運動をする成長期の男の子に多いオスグッドという症状。私はうろ覚えですが10代の頃になりました。父や兄にも同じ症状があったので遺伝かもしれないと思い、そのまま放っておきました。
運動は子供の頃から好きではなく、激しいスポーツをやっていたわけでもありません。思い当たるとすれば体は確かに硬い方で、前かがみになりやすい傾向かもしれません。これは関係しているかわかりませんが、骨格診断は骨がゴツゴツしているナチュラルタイプです。(自己診断)
スロトレをやっていると身体がほぐれるので、軟骨の痛みは徐々に緩和しています。オスグッドが悪化しない限り病院に行くことはありませんが、当面はスロトレで太ももをほぐしたり、姿勢を良くする、足首を回すなどできることを続けてみることにします。