不意に誰かと手が触れてしまった時、急に握手する状況になった時、相手に冷たいと驚かれた経験はありませんか。また、自分の足先の冷たさで、夜中に目が冷めてしまう人もいることでしょう。
指先や足先までうまく血液が回らずに冷えてしまうことを、末端冷え性と言います。ひどい人になると、足が冷たすぎて眠りにつけなかったり、夜中に自分の足先の冷たさで起きてしまい、十分な睡眠時間を取れずに体調を崩してしまうことも多いです。
末端冷え性は、体全体がポカポカしている場合があるので、自分が末端冷え性だと認識していない人も多いです。
末端冷え性の具体的な症状
実は冷えと太るには深い関係があります。まずはあなたの冷えタイプをチェックしてみましょう。
- 特に手先や足先が冷える
- 秋から春まで特に冷えを感じる
- 爪割れ、ささくれができやすい
- 関節や体が硬い
- 足の指を動かすのが下手
このリストに多くチェックが付いたあなたは、末端冷え性タイプです。
関節の硬さにより血管の柔軟性が損なわれたり、きつい靴などで血流が阻害され悪化します。熱が末端まで行き渡らずに、手足を中心に冷えます。血流の悪い末梢の血管は寒冷刺激が加わると、過剰に収縮するため寒くなると症状も悪化します。
冷えが原因で腰痛や肩こり、頭痛などを引き起こす貧血、動悸、めまいなどが起こりやすくなり、肌荒れ、生理不順、免疫力が下がり、風邪を引きやすくなります。
手袋や靴下で外から温めるだけでは温まりにくく、痛みを感じるほど手足が冷える場合も、末端冷え性の可能性があります。足の先や手先が冷たくてひどくなると、痛みすら感じてしまうことがあります。このつらい末端冷え性の原因は、一体何でしょうか?
血流循環が悪い
血液の流れがうまくいってると、循環する血液が熱を全身に運んでくれます。しかし血液の流れが悪くなると、脳は血液循環に優先順位を付け、血液が不可欠なところへ優先的に運ぶように切り替わります。
つまり、心臓から遠い手先や足先は優先度が落ち、後回しにされてしまうのです。それにより、血液が行き届かずに冷えてしまうのです。
血流が悪化すると体全体に栄養も運ばれず、老廃物が溜まるようになります。内蔵に老廃物が溜まると、さらに血流が悪くなるという悪循環が起こります。代謝が悪くなると内臓の働きが低下し、冷えにつながってしまうわけです。
筋肉量の低下
女性は男性に比べて筋肉が少ないため、筋肉運動による発熱や血流量が少なくなってしまいます。運動不足で筋肉量が落ちている人も、冷えを感じやすくなります。
自律神経の異常
最近多いのはこれで、自律神経の乱れによる冷え性です。身体の冷え性に大きく関係している自律神経ですが、ストレスや生活習慣によって、すぐ乱れてしまう傾向があります。
熱くもないのに汗をかいてしまったりするのも自律神経乱れが原因です。体温と外気温をうまく調整できない状態が起こり、手足まで血流が届かずに末端の冷え性が起こることがあります。
日頃の生活習慣に改善ポイントがあるので、すぐに対処することをおすすめします。今日からすぐに使えて効果があるポイントを5つ紹介するので、是非試してみてください。
冷たいとき、すぐに実践できる対策方法とは?
冷え性は女性が多いと言われますが、その違いは筋肉量によるものです。重力に負けずに頭から足まで血流やリンパなどの体液を循環させることができるのは、筋肉がポンプの役目をしていて体液を押し出してくれるからです。
筋肉量が少ない女性はポンプの力が弱いので、体液を末端まで行き渡らすことができず、末端冷え性になってしまうのです。ベストな対処法は筋力を増やすことですが、それには時間がかかります。そこで今すぐできる方法は、今ある筋肉をしっかり動かして使うことです。
指先、足先を動かす
まずは冷えている部位を自覚し、手先や足先を温めましょう。首と名のつく部位、首・手首・足首などを温めるのも効果的です。手っ取り早いのは、指先・足先を動かすという方法です。手や足の指をグーパーと動かし、足首や手首を回すだけでも、血行を促進することができます。
足の指ならつま先たちを繰り返したり、手の指ならグーパーを繰り返したりと、とにかく動かすことで少しずつ温かくなってくるはずです。
締め付けのきつい下着や靴下は避ける
足先が冷たいときには、温かい靴下を履きたくなりますが、中には何枚も重ねて靴下を履いている人がいます。でもこれは逆効果です。足首が締め付けられ、それによって血流も絞られてしまうためです。実際に何枚も靴下を履いても、一向に足が温かくならないことが多いです。
きつい下着は血流を悪くするのでNGですが、きつい靴下やタイツもNGです。きつい靴下は、せっかく流れてきた血液を、足先に行く前に止めてしまうからです。夜になったら足に跡がついているような靴下は避けましょう。
末端冷え性を招く原因は、身体の問題ではなく、身につけているものにも関係しています。素材にも注意が必要です。タイツやストッキングなどの汗を吸収しない素材は、足の裏や指の間からかいた汗が吸収されることなく溜まってしまいます。
その汗が冷えて足の体温を奪い、さらなる冷えにつながってしまいます。靴下やタイツを選ぶときには、サイズやきつさ、素材も重視して選ぶようにしましょう。夜のお供に選ぶなら、ふわもこのあったか靴下です。
お腹を温める
末端冷え性の場合、どうしても冷たくなっている手足を温めてしまいがちですが、お腹を温めるほうが効果的です。もしあなたが末端冷え性なら、一度お腹を触ってみてみてください。冷たくなっていませんか?
お腹を温めることで血液が温まるので、末端冷え性の改善にも効果的です。また、冬でも薄着でいる女性もいますが、やっぱり冷え性で悩んでいるなら厚着をしましょう。
内蔵を温める
冷え性には外的要因と内的要因があり、体が冷える原因は外的要因だけではありません。ビールや氷の入ったジュースなど、冷たい飲み物を好んで飲む方は、内臓が冷えている可能性があります。
内臓は体内で最も大切な場所なので、ここが冷えていると身体は真っ先に内蔵を温めるためのエネルギーを使います。そのため、末端まで温めることができなくなっています。日常的にお水よりもお白湯、温かいものを摂るように意識しましょう。
体を温める作用の食材
内蔵を温めるのが高めの温度のものをとることだったのに対し、体全体を温める食材を摂取するというものです。体を温める食材といえば、次のものが有名です。
- 乾燥生姜
- ネギ
- 唐辛子
- 人参
- レンコン
加えておすすめなのがココアです。ポリフェノールやテオブロミンという栄養が含まれており、血管を広げる働きがあります。血液循環を促して、冷え性対策になると言われています。
自律神経を整える
深く良質な眠りは体内調整にとっても大切です。ストレス過多の状態が続いたり、過度なダイエットを続けていると、自律神経が乱れます。自律神経は体温調整や発汗調整を行う働きをしているため、自律神経が乱れてしまうと体温をうまく調整できずに、末端に冷えを招いてしまうのです。
自律神経を整えるためには、早寝早起き、適度な運動など正しい生活習慣が必要ですが、良質な睡眠も大切です。寝る前にテレビや携帯を手放し、アロマを炊いて15分間ストレッチをするだけでもリラックスでき、睡眠の質が変わっていきます。
意外と知られていないのが、末端冷え性にポリフェノールがおすすめであることです。実際に長い間健康のためにポリフェノールのサプリを飲んでいたら、冷え性が改善されたという声がたくさんあります。
代謝を上げてサラサラの血液が全身を循環すれば、つらい末端冷え性とおさらばできるかもしれません。